RPOと採用代行の違い|料金・業務範囲を比較

採用業務を外へ任せようと調べると、「RPO」と「採用代行」が並んで出てきます。日程調整だけを依頼する会社もあれば、採用計画や面接設計まで支援する会社もあり、名称だけでは自社に合うサービスを判断できません。

検索意図から再構成

RPOと採用代行は、名称ではなく任せる範囲で比較する

RPOは採用計画や改善まで含む広い支援、採用代行は応募対応や日程調整など実務代行を指すことが多いものの、業界で定義は統一されていません。会社名や呼称ではなく、業務範囲・責任・成果物で比較します。

見積もりでは月額だけでなく、媒体費、スカウト通数、面接代行、レポート、採用終了時のデータ返却まで確認します。自社に残す意思決定と外へ出す実務を先に線引きすると選びやすくなります。

まず確認する3つの判断軸

迷ったときは、結論を急ぐ前に次の三点を揃えます。複数の担当者がいても、同じ基準で対応しやすくなります。

判断軸 見るポイント 実務上の扱い
実務代行中心 日程・連絡・媒体運用 社内の工数不足
RPO型 設計・実務・改善 採用責任者も不足
部分支援 スカウト・面接など限定 ボトルネックが明確

判断軸を文章に残すと、次回から同じ確認をやり直さずに済みます。例外だけを人に相談する運用へ移せます。

迷ったときの進め方

次の順番なら、確認漏れと余計な往復を抑えられます。

  1. 採用業務を設計・集客・選考・入社に分ける
  2. 自社に残す判断と外注する実務を決める
  3. 同じ業務範囲で3社の見積もりを比べる

重要なのは、相手や担当者が次に何をすればよいかまで決めることです。 事実共有だけで終わらせず、担当・期限・次の連絡を一つずつ置きます。

実務で抜けやすい確認項目

基本手順だけでなく、立場や進行段階によって変わる点も確認します。次の表を最終チェックに使えます。

場面 確認すること 注意点
契約前 対象職種・採用人数・期間を共有 業務一覧と責任分界を合意
開始30日 現状把握・テンプレ・KPI整備 応募対応を止めずに移行
終了時 候補者データ・媒体・手順を返却 社内で再開できる状態にする

すべてを一度に増やす必要はありません。まず停止や誤解につながる項目から揃えます。

失敗しやすいポイント

RPOという名称だけで上流支援まで含むとは限りません。担当範囲、成果物、定例、データ返却を契約前に確認します。

この記事では、RPOと採用代行の違いを支援範囲、料金、社内に残す仕事、他の人材サービスとの違いから整理します。採用専任者を置きにくい中小企業が、委託範囲と提供会社を選ぶための確認表も掲載しました。

先に結論
RPOと採用代行は、実務上ほぼ同じ意味で使われることが多く、統一された境界はありません。名称ではなく、実行だけか、運用管理や採用設計まで含むか、社内に何を残すかで比較してください。
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RPOと採用代行の違いは「名称」より支援範囲で見る

RPOはRecruitment Process Outsourcingの略で、採用プロセスの一部または全体を外部へ委託する考え方です。日本語では採用代行、採用アウトソーシングと説明されることが多く、別々の法的なサービス区分として定義されているわけではありません。

市場では、候補者連絡や日程調整などの実務を「採用代行」、採用計画・チャネル管理・工程改善まで広く担う支援を「RPO」と呼ぶ傾向があります。ただし、採用代行という名称で戦略設計まで担う会社も、RPOという名称で一工程だけを請け負う会社もあります。

比較する点 実務中心の支援 設計・改善を含む支援 契約前に確認すること
主な目的 担当者の作業を減らす 採用工程を整え、運用する 課題が工数か成果か
業務の例 入稿、連絡、日程、進捗更新 要件整理、媒体設計、面接設計、分析 成果物と会議参加
社内との関係 依頼された業務を遂行 採用チームの一員として伴走 窓口と意思決定者
改善提案 契約外の場合がある 定例・分析に含む場合がある 提案の頻度と実行範囲
向く課題 対応遅延、調整工数、担当不足 採用方法が未整備、工程が不安定 どの工程が止まっているか

「RPOだから広範囲」と推測せず、提案書と見積書で、担当業務、頻度、対応時間、改善責任、追加料金の条件を一行ずつ確認します。サービス名は比較の入口にすぎません。

採用代行とRPOを無理に別サービスとして考えなくてよい

検索時は両方の名称を使い、比較時は業務範囲を同じ表へ置き換えます。呼び方の違いに時間を使うより、自社が必要とする役割と提供内容が一致するかを確認する方が確実です。

問い合わせ時には「RPOを探しています」だけで終えず、「中途採用二職種で、候補者連絡と媒体運用を任せ、月次で工程改善を提案してほしい」のように希望範囲を伝えます。各社の提案を同じ軸で比較できます。

「代行」と「意思決定」は分けて考える

外部は判断材料と提案を作れても、採用する理由、最終合否、雇用条件は自社が責任を持つ設計が基本です。ここまで曖昧にすると、人物要件が揺れ、面接と配属の説明が食い違います。

採用人数、予算、求める役割、最終評価は経営・現場とつながっています。RPOには、その判断が滞らないよう情報を整理し、選考を運用する役割を任せます。

採用業務を4層に分けると委託範囲が決まる

採用業務を「実行」「運用管理」「設計・改善」「意思決定」の4層へ分けると、外へ任せる範囲と社内に残す仕事が見えます。「採用を全部任せたい」という依頼では、候補者連絡だけを想定する会社と、採用計画まで想定する会社で見積もりが割れます。

LAYER 1実行
連絡・日程・入稿
LAYER 2運用管理
進捗・媒体・数値
LAYER 3設計・改善
要件・訴求・面接
LAYER 4意思決定
予算・合否・処遇

外部化しやすいのは実行と運用管理です。設計・改善も、現場情報と承認者が揃えば支援できます。意思決定は自社に残し、外部が必要な材料を期限までに揃える役割分担にします。

実行業務:候補者連絡や日程調整を任せる

応募者対応の遅れや日程調整が課題なら、実行業務から切り出すと小さく始められます。求人票の入稿、スカウト配信、応募受付、面接日程、合否連絡、管理表更新などが対象です。

対応時間、使用する名義、文面、例外時の相談先、個人情報の保管場所を決めます。ただし、応募が集まらない、面接通過率が低い場合は、実行を速くするだけでは解決しません。

運用管理:複数の媒体・紹介会社・選考を一か所で管理する

採用経路が増えて状況を追えない企業では、工程を一か所へ集める役割に価値があります。応募数だけでなく、書類選考、面接設定、内定、承諾までを経路別に確認します。

管理表を更新するだけか、停滞を見つけて催促・改善提案するかは別の業務です。定例で何を報告し、どの状態になったら対応を提案するかを契約前に確認してください。

設計・改善:採用要件や選考プロセスを整える

採用の進め方自体が固まっていない会社は、求人・選考・評価をつなぐ設計まで支援範囲に含めます。求める人物像、求人の訴求、面接官の役割、質問、評価基準、候補者体験を一つの流れとして整えます。

外部だけでは、自社の事業計画や現場で活躍する人の特徴を判断できません。経営者と現場責任者が情報を出し、RPOが言語化・運用へ落とす共同作業になります。

意思決定:採用目的・予算・合否・処遇は自社が持つ

どの経営課題を、どの人材で解くかは、外部へ丸投げできない判断です。採用人数、予算、最終合否、処遇、配属、入社後の受け入れ責任者は自社が決めます。

中小企業庁の「人材活用ガイドライン」でも、経営課題と人材課題を結び付け、人材戦略を検討する考え方が示されています。採用は単独の作業ではなく、経営課題から必要な人材像へつなぐ必要があります。

参照:「人材活用ガイドライン」中小企業庁

RPO・採用代行と人材紹介などの違い

採用工程を動かしてほしいのか、候補者を紹介してほしいのか、応募の入口を増やしたいのかで選ぶサービスが変わります。RPO、人材紹介、求人広告、派遣、総合BPOは併用できますが、同じ役割ではありません。

次の表は、一般的な役割を整理したものです。個別サービスでは複数の機能を持つ場合があるため、実際の提供範囲と許可・届出を確認してください。

サービス 主な役割 向く課題 料金の考え方
RPO・採用代行 自社採用工程の実行・管理・改善 担当不足、対応遅延、工程未整備 月額・従量・業務単位など
人材紹介 求人企業と候補者のあっせん 対象人材に出会えない 成功報酬など
求人広告・求人媒体 募集情報を掲載・提供 応募の入口や認知を増やす 掲載・利用・成果連動など
人材派遣 派遣会社が雇用する人材を配置 一定期間の業務人員が必要 稼働時間など
総合BPO 採用以外を含む業務工程の外部化 複数の定型業務をまとめたい 業務量・体制など

厚生労働省は、求人情報・求職者情報を提供する「募集情報等提供事業」と、あっせんを行う「職業紹介事業」について制度情報を公開しています。RPOの業務が候補者情報の提供や職業紹介へ及ぶ場合、提供会社がどの立場・許可・届出で行うかを確認してください。

参照:「募集情報等提供事業」厚生労働省
参照:「求人者の皆さまへ」厚生労働省

人材紹介は候補者との出会い、RPOは自社の採用工程を支える

人材紹介は候補者の紹介・あっせん、RPOは求人企業側の採用業務を運用する点が中心的な違いです。応募が来ても連絡や面接設定が遅い会社はRPO、そもそも対象候補者に出会えない職種は人材紹介が候補になります。

二つを併用する場合は、紹介会社との連絡・推薦管理をRPOへ任せ、自社は要件と合否を判断する設計ができます。誰が紹介会社へ要件変更を伝えるかを一人にします。

求人広告は応募の入口、RPOは掲載後を含む運用

求人媒体へ掲載するだけでは、応募後の連絡、選考、数値分析まで自動で整いません。RPOは媒体選定や原稿運用を含む場合がありますが、広告費や媒体契約が別料金かを確認します。

応募不足に対して媒体追加だけを繰り返す前に、求人内容、対象者、選考速度、面接設定率を見ます。入口と工程のどちらが詰まっているかで予算配分が変わります。

中小企業がRPO・採用代行を検討すべき状態

検討の基準は会社規模ではなく、採用工程のどこが止まり、社内で補えるかです。一名採用でも、経営者が候補者連絡や媒体管理に追われているなら部分代行が役立ちます。複数採用でも、社内の運用が整っていれば限定的な支援で足りる場合があります。

作業量が課題
要件と選考方法は決まっているが、連絡・日程・更新が追いつかない。
→
実行業務から委託
候補者対応、入稿、スカウト、進捗更新を切り出す。
採用方法が課題
応募が少ない、面接評価が割れる、媒体判断ができない。
→
設計・改善を含める
要件、訴求、選考、数値管理を一緒に整える。

「忙しい」と「成果が出ない」が同時に起きている場合は、最初に工程を診断し、実行を任せながら設計を修正します。採用担当が不在の場合は、採用担当者がいない中小企業の体制づくりも先に整理すると範囲を決めやすくなります。

候補者対応が遅れ、面接設定まで進まない

要件は合っているのに選考が止まるなら、日常運用の代行を優先します。応募確認、一次連絡、日程提示、リマインド、面接官への通知を一つの対応基準へまとめます。

返信の速さだけでなく、例外時の判断と社内承認の期限を決めます。外部が迅速でも、書類選考を自社が数日止めれば候補者体験は改善しません。

採用担当者がおらず、経営者が実務を抱えている

経営者は人物要件と最終判断へ集中し、日程・連絡・媒体・定例の準備を外へ移します。最初は一職種・一媒体で試し、会社固有の判断を文書へ残します。

RPOを社内担当者の完全な代わりにせず、社内の採用責任者を一人決めます。兼務でも、承認と現場情報を集める役割が必要です。

応募はあるが、面接通過や内定承諾につながらない

連絡代行だけではなく、要件、面接質問、評価基準、情報提供まで点検します。面接官ごとの評価差や、候補者へ伝える魅力の不足が原因なら、選考設計の支援が必要です。

RPOが面接官トレーニングや評価シートまで担当するかは会社ごとに違います。具体的な成果物と実施回数を確認してください。

RPOへ任せても社内に残すべき5つの仕事

採用を外部化しても、採用目的、現場情報、承認、最終合否、入社後の受け入れは社内が持ちます。外部が運用を担うほど、自社が決める事項を明確にする必要があります。

社内に残す仕事 社内が持つ理由 RPOが支援できること
採用目的・人数 事業計画と予算に直結 計画案・必要工数を整理
現場の職務情報 実際の役割を最も知る ヒアリング・求人票へ言語化
承認と判断期限 社内の権限に関わる 判断材料・未処理一覧を準備
最終合否・処遇 雇用責任と組織判断 評価情報・市場情報を整理
受け入れ・育成 入社後の定着に影響 連絡・入社前準備を支援

外部へ任せる仕事と社内へ残す仕事の間に空白を作らないよう、工程ごとに実行者・確認者・決定者を置きます。特に面接後の合否と条件提示は、回答期限まで決めておきます。

料金は月額ではなく「含まれる仕事」で比較する

RPO・採用代行の料金比較では、総額だけでなく、業務範囲、量の上限、担当体制、連絡、成果物、追加条件をそろえます。同じ月額制でも、実務のみと改善提案込みでは支援の密度が違います。

料金体系は、月額固定、業務・件数に応じた従量、採用決定に連動する成果報酬、これらの組み合わせがあります。市場相場だけで決めず、自社の応募数・職種数・工程と見積もり条件が合うかを確認します。

確認点 契約前の質問 曖昧な場合の問題
業務範囲 誰が、何を、どこまで行うか 作業の空白・二重対応
量の上限 職種・候補者・媒体・面接の上限は 増加時に追加費用
連絡体制 平日の対応時間と定例回数は 判断待ちで選考停止
改善提案 どの指標を、何の頻度で分析するか 報告だけで改善されない
追加業務 緊急・面接同席・原稿追加の扱いは 想定外の請求・遅延
終了・引継ぎ データ、文面、手順を何で返すか 社内に運用が残らない

見積書では「採用支援一式」を避け、作業名、頻度、担当者、成果物を記載してもらいます。採用人数だけを成果条件にすると、市況、現場判断、条件提示など外部だけでは管理できない要因が混ざる点にも注意が必要です。

月額固定が合うケース

継続採用で業務量がある程度見え、日常連絡や定例まで含めたい場合に比較しやすい形です。月内の職種数・候補者数・対応時間に上限があるかを確認します。

業務が少ない月も同額になるため、採用計画と契約期間を照合します。固定費の中に、設計変更や面接官支援が含まれるとは限りません。

従量・業務単位が合うケース

候補者数や依頼業務が限られ、特定工程だけを試したい場合に使いやすい形です。一通、一件、一職種など、計算単位と最低料金を確認します。

応募が急増すると費用も変わります。対応の上限、超過時の承認、急な採用停止時の扱いを契約前に決めます。

成果報酬を含む場合の確認

何を成果とするか、返金条件、他経路との重複、紹介行為の有無を確認します。採用決定、入社、一定期間の在籍など、会社によって条件が違います。

RPOの運用費と人材紹介の成功報酬が併存する場合もあります。同じ候補者について、どの契約が適用されるかを明確にしてください。

委託先を選ぶ8つの質問

提供会社は実績数だけでなく、自社の課題をどう分解し、社内外の責任境界を具体的に説明できるかで比較します。提案面談の回答を同じ表へ記録すると、サービス名や資料の見栄えに引っ張られません。

質問 確認したいこと 良い回答の特徴
最初の1か月は何をしますか 初動と優先順位 現状確認・役割・試行が具体的
日常の担当者は誰ですか 営業後の実行体制 役割と連絡経路が明確
何社・何案件を担当しますか 応答と稼働の余力 体制変更時の代替も説明
社内に残す判断は何ですか 責任境界 合否・処遇・承認を区別
改善提案はどう行いますか 作業代行との違い 指標・頻度・実行条件が具体的
候補者情報をどう管理しますか 個人情報と権限 保管・アクセス・削除を説明
担当変更時はどう引き継ぎますか 属人化対策 記録・文面・履歴が共有資産
契約終了時に何が残りますか 内製化・切替可能性 データ・手順・判断履歴を明示

一般論しか返らない場合は、自社の情報が不足している可能性もあります。募集職種、現在の工程、困っている場面、社内体制を伝えたうえで、具体的な初動を聞いてください。

RPO・採用代行の導入を4段階で進める

初めて外部へ任せる場合は、現状整理、役割設計、試行、見直しの順で、一職種・一工程から始めます。最初から全面委託すると、社内のルール不足まで委託先の問題に見えます。

段階 実施内容 成果物 完了の判断
現状整理 工程、量、滞留、ツールを確認 採用業務一覧 課題を工程単位で説明できる
役割設計 実行・確認・決定を分担 役割表、対応基準 承認者と例外窓口が明確
試行 一職種・一工程で運用 候補者履歴、週次報告 連絡と記録が予定通り進む
見直し 数値、差し戻し、判断待ちを確認 改善案、次月範囲 広げる・縮める判断ができる

導入時には、文面、返信時間、面接調整、合否期限、緊急連絡、個人情報、アカウント権限を確認します。採用結果が出る前でも、対応遅延や判断待ちが減ったかは測れます。

開始前に役割分担表を完成させる

候補者対応の各工程に、実行者、確認者、決定者、期限、記録場所を置きます。「RPOが担当」とだけ書くと、社内承認や現場情報の提供が抜けます。

書類選考の判断が遅れた場合、誰が催促し、何日でエスカレーションするかまで決めます。候補者名や個人情報を通常チャットへ広げない運用も必要です。

最初の1か月は運用品質を確認する

採用人数だけでなく、初回連絡、面接設定、判断待ち、情報更新、例外対応を確認します。採用成果は時間がかかりますが、運用の良否は早い段階で点検できます。

定例では全件の読み上げを避け、遅延、改善が必要な工程、社内判断、候補者からの反応を扱います。数値の定義もそろえ、媒体画面と管理表で違う数字を比べないようにします。

契約終了・切替時の引き継ぎを開始時に決める

候補者データ、連絡文面、媒体設定、求人原稿、数値、判断履歴、運用手順が自社へ残る条件を決めます。終了時に初めて依頼すると、担当者個人の情報が回収できない場合があります。

アカウントは会社所有を基本とし、RPO担当者へ個別権限を付与します。外注先変更の実務は業務委託の引き継ぎチェックリストも利用できます。

RPO・採用代行で起きやすい5つの失敗

失敗は、判断まで丸投げする、課題と範囲が合わない、社内承認が遅い、情報管理が曖昧、ノウハウが残らない場合に起きます。委託先の能力だけでなく、発注側の情報と運用設計も結果を左右します。

失敗 起きること 予防策
採用を丸投げ 求人・面接が事業とずれる 採用目的と最終判断を社内に残す
作業だけを依頼 応募不足など根の課題が残る 工程診断と改善責任を確認
社内承認が遅い 外部が動いても候補者が待つ 承認者・期限・代理者を設定
候補者情報が分散 対応漏れ・漏えいリスク 正本・権限・削除ルールを決定
判断履歴が残らない 契約終了後に運用不能 文面・数値・変更理由を共有資産化

委託範囲は固定ではありません。定例で「社内へ残す判断」「外へ任せる実行」「次に改善する工程」を見直し、必要に応じて契約範囲を変更します。

応募不足なのに日程調整だけを任せる

課題が母集団形成にある場合、候補者対応の工数を減らしても応募は増えません。求人訴求、媒体、紹介会社、スカウト条件の改善を支援範囲へ含めます。

反対に応募は十分なのに返信が遅い会社では、戦略会議を増やすより運用を安定させる方が先です。現象と委託業務を合わせます。

候補者の個人情報を複数ツールへ複製する

候補者情報の正本、閲覧権限、持ち出し、再委託、削除、契約終了時の返却を決めます。進捗管理の便利さだけで新しい表へ複製すると、削除やアクセス管理が難しくなります。

採用管理システムなど指定の場所を正本にし、チャットでは候補者を特定しない形で連絡できるか検討します。提供会社の個人情報管理体制も選定時に確認してください。

外部担当者だけが判断理由を知っている

求人変更、媒体停止、評価基準修正の理由を、結果と一緒に自社へ残します。レポートが数値だけでは、次の担当者が同じ改善を再現できません。

月次で、変えたこと、理由、結果、次回の扱いを一枚にします。契約終了時の引き継ぎ資料にも、この改善履歴を含めます。

公平な採用選考と候補者対応で確認すること

採用業務を委託しても、公正な採用選考と候補者への説明に関する自社の責任がなくなるわけではありません。求人情報、連絡文面、質問、評価項目を外部任せにせず、社内基準と照合します。

厚生労働省は、公正な採用選考について、応募者の適性・能力に基づいて行うことや、本人に責任のない事項など就職差別につながるおそれのある情報を把握しない考え方を示しています。RPOに面接質問や評価支援を依頼する場合も、基準を共有してください。

参照:「公正な採用選考をめざして」厚生労働省

RPO・採用代行に関するよくある質問

サービス名に共通の境界がないため、実際の支援範囲、責任、料金、情報管理を見積書と提案書で確認することが最も確実です。検討時に出やすい疑問へ回答します。

RPOと採用代行は結局同じですか?

同義として使われることが多い一方、会社によって「RPO」を広い支援の名称として使う場合があります。名称だけで判断せず、実行・運用管理・設計・意思決定のどこまで含むかを確認してください。

RPOは採用の合否まで決めますか?

評価材料の整理や面接支援を依頼できても、最終合否と雇用条件は自社が決定する設計が基本です。誰が評価し、誰が決裁し、候補者へ誰の名義で連絡するかを明記します。

採用担当者が一人でもRPOは必要ですか?

人数ではなく、その人が採用設計へ時間を使えず、日常対応が滞っているかで判断します。工程が整っているなら部分代行、やり方から見直すなら改善を含む支援が候補です。

採用代行を使うと社内にノウハウが残りませんか?

文面、数値、判断理由、改善履歴、手順を共有成果物にすれば、契約終了後も運用を引き継げます。結果報告だけでなく、なぜ変更したかを定例と記録へ残します。

どのくらいの契約期間が必要ですか?

採用職種、工程、現在の整備状況によって異なるため、固定の正解はありません。候補者連絡だけなら短く試しやすく、採用設計と改善は複数の選考結果を見ながら調整する時間が必要です。

最低契約期間、初期設計、解約予告、引き継ぎ条件を確認し、自社の採用計画と合うか判断します。

中小企業がRPOを選ぶときの支援範囲

RPOの名称ではなく、採用工程のどこまでを設計・実行し、どの判断を社内に残すかで比較します。

中小企業が選ぶRPOの支援範囲を図解したスライド|株式会社Alpha Fav
図:中小企業が選ぶRPOの支援範囲

RPOは採用業務の一部または全体を外部チームが担う支援を指しますが、会社ごとに範囲は異なります。応募者対応だけを任せる契約も、採用計画や面接設計まで含む契約もあります。見積もり時には、成果物と社内工数を同じ条件で確認してください。

依頼したい課題 必要な支援 社内に残す判断
候補者対応が遅い 日程調整、連絡、管理表更新 合否・例外対応
応募が集まらない 要件、求人票、媒体の改善 採用人数・予算
面接評価が揃わない 質問、基準、面接官研修 最終合否
採用全体が止まる 計画、KPI、週次運用 要件変更・条件提示

月額料金だけでなく、媒体費、スカウト通数、面接代行、レポート、担当変更、契約終了時のデータ返却を確認します。最短契約期間と解約後に残る文面・手順書も比較項目です。

採用代行会社へ最初に聞く質問

「何をしてくれますか」ではなく、最初の30日、週次成果物、支援範囲外、契約終了時に残るものを聞きます。

RPO会社を比較する5項目を図解したスライド|株式会社Alpha Fav
図:RPO会社を比較する5項目

営業担当と実務担当が異なる場合は、実際の担当者、連絡可能時間、欠員時の代替体制も確認してください。外注後も社内の決裁者と現場責任者は必要です。

そのまま使える採用支援会社への問い合わせ文

名称ではなく、任せたい工程・成果物・社内に残す判断を具体的に伝えます。

【会社名】【担当者名】【期限】などを書き換えて使ってください。文面枠をクリックして選択し、Ctrl/Command+Cでコピーできます。

初回問い合わせメール

比較しやすいように、各社へ同じ条件で回答を依頼してください。

件名:採用支援のご相談(【職種名】/【採用予定人数】)

ご担当者様

当社では【職種名】を【時期】までに【人数】採用したく、採用支援を検討しています。

現在の体制:【担当人数・兼務状況】
主な課題:【応募不足/日程調整/面接設計など】
依頼を検討する工程:【工程】
社内に残したい判断:【合否・要件変更など】
使用中の媒体・管理ツール:【名称】

次の項目をご提示いただけますでしょうか。
・具体的な支援範囲と成果物
・当社側に必要な工数
・連絡方法と定例頻度
・料金、最低契約期間、追加費用
・契約終了時に返却されるデータと手順書

可能であれば【候補日時】で30分ほどご相談したいです。

比較面談の質問台本

体制と終了時の引き継ぎまで聞くと、月額以外の差が見えます。

1. 当社の課題に対し、最初の30日で何を確認しますか
2. 誰が実務を担当し、責任者は誰ですか
3. 支援範囲外になる作業は何ですか
4. 合否や要件変更は、どこまで提案できますか
5. 週次で共有される数字と成果物は何ですか
6. 候補者対応の文面は誰が承認しますか
7. 担当変更時の引き継ぎ方法は何ですか
8. 契約終了時、データ・文面・手順書は何が残りますか

RELATED GUIDE

まとめ:RPOか採用代行かではなく、自社に必要な範囲を選ぶ

RPOと採用代行は名前で切り分けず、実行、運用管理、設計・改善、意思決定のどこを任せるかで比較します。作業負担が課題なら候補者対応から、採用方法が定まっていないなら要件・求人・選考の設計まで含む支援が候補です。

最初に直近の候補者がどの工程で止まったかを確認し、社内に残す決定と外部へ任せる仕事を一枚にしてください。その表を使って見積もりを取れば、会社ごとのサービス名に左右されず比較できます。

Alpha Favの採用・RPO支援
採用実務、候補者とのコミュニケーション、求人・SEOコンテンツ、定例、外部パートナーとの連携まで、必要な範囲から支援します。どこを任せるべきか10〜30分で相談する。

この課題を次の一手につなげる

個別の改善だけで終わらせず、前後の工程もそろえると運用が安定します。まず全体ガイドで現在地を確認し、関連する実務記事へ進んでください。

中小企業の採用・RPO実務ガイドで全体を確認する →

採用・営業BPOの支援内容を見る →

株式会社Alpha Fav 代表取締役 丸山雄河

監修者

丸山 雄河

株式会社Alpha Fav 代表取締役

早稲田大学教育学部卒業後、法人営業・マーケティング・事業企画を経て、株式会社Alpha Favを創業。現在は代表取締役として、企業の魅力を言葉と実務に落とし込み、顧客や候補者から選ばれる状態をつくるための支援を行っています。

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